韓国の大学入試「スヌン」
超学歴社会である韓国では、この「スヌン」は秋の風物詩としても知られています
その様子は、日本でもニュースとして取り上げられることもありますよね
K-POPアイドルも受験したりと、韓国の「スヌン」という制度に興味がある方も多いのではないでしょうか?
ということで、今回は「スヌン」について深堀りして、韓国のリアルな受験事情を詳しくご紹介していきます
僕は高麗大学にいたけど、韓国人は入学してからも
めちゃくちゃ勉強してました…
大学修学能力試験=スヌンとは?
韓国の「スヌン(大学修学能力試験)」とは、
日本でいうセンター試験(共通テスト)にあたるテストのこと
毎年11月の中旬の木曜日に行われ、大学、専門学校への進学を希望するほぼすべての人が受験します
超学歴社会である韓国!良い大学に入ることがその後の人生を左右するともいわれており、スヌンは受験生にとってはもちろん、その家族にとっても大変重要な行事となります(ってかココですべてが決まる感じ)
スヌンの試験科目と等級区分
スヌンの科目は、
- 国語
- 数学
- 英語
- 歴史(韓国史)&探求(社会/科学/職業から選択)
- 第2外国語/漢文
の5科目です
日本のセンター試験(共通テスト)は2日間に分けて行われますが、スヌンはすべての科目を1日で済ませます
試験は朝の8時40分から開始で、最後の教科が終わるころには17時40分になっており、受験生は丸一日かけて試験を受けます
このスヌンは5科目で500点満点となるように構成されています。受験した生徒の上位4%から1等級と区分されていき、全部で9つの等級になります(要は相対評価みたいです)
この等級を元にして受験する大学を決める方式となっています
試験結果は約1ヶ月後ですが、受験生は自己採点から自分の等級を予想します
スヌン終了直後から、面接準備、小論文の練習など2次試験の対策を始めます(韓国では面接も受験の一部らしい)
スヌン当日の雰囲気
高校3年間だけでなく、小・中学生の頃から熱心な教育を行っている韓国
そのほぼすべてがたった一日のスヌンで決まってしまうため、スヌン当日は国・社会全体で受験生をサポートしています
韓国の受験戦争がどれだけすごいかは、このドラマでもわかりますよっ
家族や後輩が会場近くで応援
試験会場周辺では応援にかけつけた家族や後輩でいっぱいになります(逆にやりづらい)
学校も横断幕やプラカードを準備して最大限受験生にエールを贈ります
受験生の家族の中には、スヌン当日は会場の門の前でずっと待機し、見守っている人もいるみたいで、スヌン当日は、いつも冷え込むことで知られているのですが会場は熱気と活気にあふれていますね
試験終了後は、迎えに大勢の人が会場に詰めかけます
プレッシャーから開放された受験生は、家族と一緒に食事にでかけたり、友達と遊びに行ったりとストレス発散するのが定番です
しかも、スヌンの受験票を持っていると
- 整形病院
- 遊園地
- ノートパソコン
- 引っ越し
- 美容室
- 飛行機(国内線)
も、本人は安くなるんだって!(割引率は違うけど、凄すぎ)
警察・交通機関も協力
受験生を支えるのは家族や学校関係者だけではありません
スヌン当日はパトカーや白バイが遅刻しそうな受験生の送迎に協力。スヌンを受ける学生をサポートする感じです
この日は通勤ラッシュに巻き込まれて遅れる受験生が出ることを防ぐため、周辺の会社は出勤時間を遅らせることもあるようです
リスニング試験がある時間帯は、会場近くを通るバスや車は徐行運転することがルールになっています
また、飛行機もこの時間帯、40分ほどは韓国全国で離着陸を禁止。飛行機の騒音まで考慮するという徹底ぶりです(やばっ…)
まさに社会全体で挑むスヌン本番。スヌンの日の韓国へ行くといつもと違う交通事情になっている場合があります
大きな遅延やキャンセルはありませんが、念の為事前に運行状況を確認しておくのがおすすめです
韓国の「スヌン祈願」
日本でも受験シーズンになると願掛けグッズがたくさん出ますが、韓国も同じです
スヌンが開催される11月頃から縁起を担ぐ商品がさまざまな企業から発売されます。
韓国で古くから受験に縁起が良いとされるのは、お餅やヨッ(韓国伝統の飴)
韓国語の張り付くという言葉は、希望校に張り付く=合格するという意味があり、このような張り付く食べ物を贈って応援します。
反対に縁起が悪いとされているのは、わかめスープ
ヌルヌルとしていて滑するためです。滑るという表現が(志望校に)落ちるを連想させるのは韓国も同じで、受験生には禁句のワードにもなっています
また、韓国ではさまざまな宗教を信仰されていますが、受験シーズンはそれぞれの教会やお寺などでは合格祈願や祈祷会が行われています
中にはスヌンの100日前から毎日熱心にお祈りに出かける家族もいます。教育熱心な親が多いことで知られる韓国ですが、最終的にはお祈りして見守ることしかできないのが少し歯がゆい気もします
まとめ
今回は、韓国の大学試験「スヌン」についてご紹介しました!
スヌンは、学歴社会・韓国の一大イベント!
国や社会をあげてサポートするのは、受験生のこれまでの努力の成果を十分に発揮してほしいという思いから…ということがわかりますね
- 今年は、11月18日にスヌンが開催されます
コロナの影響で、オンラインでの授業になったり、スタディカフェや自習室の使用制限がかかったりと昨年に引き続き厳しい状況で勉強を続けてきた受験生たちですが、当日は何事もなく無事試験が進むことを願うばかりです
以上っ
最後まで読んでいただきありがとうございました
僕が韓国で生まれてたら、
間違いなく終わってる…